株式投資で「掘り出し物」を見つけるのが、実は一番儲かる秘訣かもしれません。
誰もが知っている人気企業は、すでに株価が高くなりがちです。しかし、中には「すごい会社」なのに「なぜか安い」まま放置されている株（これを「不人気株」と呼びます）があります。
この記事では、このお宝のような「不人気株」を見つけ出し、大きな利益を得るための戦略を、初心者の方にもわかるように解説します。
１. 「不人気株」って何？ なぜ優良企業が安くなるの？
「不人気株」とは、企業の本当の価値（会社が持っているお金や、稼ぐ力）に比べて、株価が異常に安い状態にある株のことです。
例えるなら、品質は最高級なのに、セールで半額になっている商品のようなものです。
では、なぜこんなことが起こるのでしょうか？主な理由は次の３つです。
① 一時的な「つまづき」
- 状況: ニュースで「今期の利益は減った」と発表されたときなど。
- 投資家心理: 「もうダメだ」と心配した多くの人が株を売るため、一時的に株価が大きく下がってしまいます。
- チャンスの理由: 実際は「将来のための大きな投資」や「一時的なトラブル」だった場合、回復すれば株価は元に戻るどころか大きく上昇します。
② 誰も興味がない「地味な会社」
- 状況: AIやEVのように派手なテーマではなく、地味だけど生活に欠かせない部品を作っているなど。
- 投資家心理: ニュースで話題にならないので、誰も注目せず、株を買う人が少ないまま放置されます。
- チャンスの理由: 地道に利益を出し続ける「縁の下の力持ち」のような会社なので、一度誰かに見つかると一気に評価されます。
③ 業界全体のイメージが悪い
- 状況: 景気の波に左右されやすい「古い産業」と見なされているなど。
- 投資家心理: 業界全体が将来性がないと思われ、その中の優良企業まで一緒に安く評価されてしまいます。
２. 割安度を測る！株価の「定規」３つの見方
安いかどうかを判断するには、個人の感覚ではなく、客観的な「定規」が必要です。
株の割安度を測るための、最も重要な３つの指標をチェックしましょう。
① PER（株価収益率）：利益に対する安さ
PERは「投資したお金を、会社の稼ぎだけで何年で回収できるか」」を示す指標です。
- 見方: 数字が低いほど割安です。（例：PER10倍なら、10年分の利益で今の株価を買える）
- 目安: 15倍以下なら割安と考える人が多いです。
- チェックポイント: 同業種の他の会社と比べて、このPERが極端に低くないか確認してみましょう。
🍎 例：お店を買うシミュレーション
あなたが、毎年安定して利益を出すお店を買う状況をイメージしてみてください。
この例で、「何年で元が取れるか」という数字が、まさにPERが示していることです。
- A店のPERは10倍
- B店のPERは20倍
利益が同じなら、PERが低いA店の方が「お買い得」だと分かります。
② PBR（株価純資産倍率）：会社の資産に対する安さ
PBRは「会社が今すぐ解散したとき、株主に分けられる資産に比べて株価がどうか」を示す指標です。
- 見方: 1.0倍以下は特に注目です。これは「会社が持っているお金や土地などの価値」より「今の株価」が安いことを意味します。
- チャンスの理由: PBRが1倍以下の会社は、非常に倒産しにくい優良企業である可能性が高いです。
🏢 例：会社の「貯金箱」を買うシミュレーション
あなたが、ある会社の「純資産（ネットの貯金箱）」を買う状況をイメージしてみてください。
この例で、PBRが1.0倍というのは、「株価」と「１株あたりの純資産」が同じことを意味します。
- C社（PBR 0.8倍）：貯金箱の中身（1,000円）よりも安い800円で買えます。
- D社（PBR 2.0倍）：貯金箱の中身（1,000円）の2倍の値段で買っています。
このケースでは、PBRが1.0倍を下回っているC社の方が、資産価値から見て「お買い得」だと判断できます。
③ 配当利回り：株価が低いからこそ高くなるお小遣い
配当利回り ＝ １株あたりの配当金 ÷ 株価 100
- 見方: 投資した金額に対して、年間どれくらいの「お小遣い」（配当金）がもらえるかを示します。
- チャンスの理由: 業績は安定しているのに株価が下がっていると、この配当利回りが結果的に高くなります。利回りが高い株は、株価が下がりにくい（底堅い）傾向もあります。
３. 「優良企業」であることを確かめる２つの重要チェック！
安い株を見つけても、会社自体が危ないのでは意味がありません。安心して投資できる「優良な不人気株」を見つけるため、以下の２点を確認しましょう。
① 借金よりも現金のほうが多いか？
会社が持っている「現金や預金」から「借金（有利子負債）」を引いたものを「ネットキャッシュ」と呼びます。
- 優良企業のサイン: ネットキャッシュがプラス（借金より現金のほうが多い）であること。
- 理由: 現金がたくさんある会社は、不況にも強く、もし株価が下がっても、この現金を使って新しい事業を始めたり、株主へのお小遣いを増やしたりする「体力」があるからです。
② 自分で稼ぐ力が安定しているか？（営業キャッシュフロー）
会社が本業のビジネス（モノを売ったり、サービスを提供したり）で、しっかり現金を生み出せているかをチェックします。
- 優良企業のサイン: 「営業キャッシュフロー」という項目が、毎年プラスで安定していること。
- 理由: 見せかけの利益ではなく、「手元に残る現金」がどれだけあるかを見れば、その会社の本当の稼ぐ力がわかります。
４. 【まとめ】お宝銘柄を見つけるための３ステップ
「優良なのに不人気」な株を見つけ、将来大きく儲けるための具体的な手順をまとめます。
結論： 不人気株投資の最大のコツは、「市場が一時的に見落としている価値」を見つけ出し、評価が訂正されるまでじっくりと保有することです。他人と同じ行動をとらず、冷静な分析で真の優良企業を発掘しましょう。
